そうか、良寛さんは自分が上手い字が書けることを誇示したかったわけじゃない。ただ読みやすさだけを考えた。だから上手くても作為的なところが感じられない。そんな感じでしょうか?(河合克敏先生)87,100円
ビッグコミックスビリッツ「とめはねっ!」で「卒意の書」を模索する中で。明末の書家、傅山の残した言葉「拙なるも巧なるなかれ。醜なるも媚なるなかれ。支離なるも軽滑なるなかれ。直率なるも安排なるなかれ。」が紹介された流れで。電子機器の書体も、緻密な計算を鼻で笑うかのようにカワイイ系の文字が好まれたりする。でもアラフィフ男のミミズ文字にはニーズがない。
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バッハにコールドベルク変奏曲があるように、日本語表記には変体仮名があります。中でも蚯蚓仮名は会得が困難なことで知られています。その時代時代の変態強者に好まれ、一子相伝の秘術の如く微かに命脈を保って今日に至っていますが、そんな伝統が存在しないかのように蚯蚓仮名を自在に操り、解読困難な文章を書きなぐっては取引先に迷惑をかけている男もまた少なくありません。生まれながらの蚯蚓仮名使いは、実はかなりの数に登ると思われます。また不幸なことに近年では正統派蚯蚓仮名の継承者とただの悪筆とを見極める眼力を持つものも世間にはいなくなってしまい蚯蚓仮名名人が蔑ろにされがちなことも、時代の流れと言うべきでしょうか。
投稿: 書肆実録変体蚯蚓仮名研究 | 2014年10月20日 (月) 18時25分