高額コトバ2005年11月ベストテン

【発言者】	【評価額】
中村うさぎ氏	30000000
小林正観氏	15000000
千葉、５８歳男性	12000000
寺田和正氏	10000000
小林澄夫氏	1050000
小島章利氏	700000
日本直販	441000
松方弘樹さん	250000
一条ゆかり先生	200000
高橋けい子さん	120750

11月は70,144,640円もばら撒いてしまったようです。

人に喜ばれていたら、「ひと財産」という形になって返ってきます。（小林正観氏）15,000,000円

前向きで覚えやすいコトバ。社会からの感謝や喜びが、お金や人間関係という価値に変わって届くという考え方をゆほびか12月号の「幸せなお金持ちになる方法」で達人のひとりが語っていた。で、とにかく「トイレのふたを閉めておく」「こまめにトイレ掃除を実践する」とお金がどんどん舞い込んでくるらしい。でも年収が1,500万円を超えると幸せの実感が薄らぐらしいのでほどほどに。

泣いている暇があるなら、この状況を抜け出す方法を考えて。（橘クレア先生）5,000円

そうします…ってオレ今泣いてないし。Kissの占い「ビタミンチャージホロスコープ」での天秤座の愛情運。占いとは関係なくこのコトバは立ち上がりを促す愛のムチになりうる。でも、落ち込みが極度な場合は逆に泣く暇を見つけて泣いたほうがいい。あの時はオレ…泣く暇も無かったから…。さて、占いの有効期限は12月9日まで。出会いは温水プールのある場所に待っているかも、だそうだ。

信長きどりはいても信長タイプはいない。（千葉、57歳男性）12,000,000円

うまい。朝日新聞be betweenのテーマ「織田信長」での辛口ご意見。「信長の棺（加藤廣著）」を小泉純一郎首相も読んだとかでちょっと信長ブーム。浸透してなかった側面も表に出てきているけど「信長きどり」はたいてい迷惑者。57歳男性が発言の参考にした信長の影武者のとんでもない大根役者ぶりが目に浮かぶ。ところがそんな大根役者の演技に会社は年間1,200万円払ってる場合もある。

どうしたらカッコ良く飲めるかって考えた時点でダメですね。（北方謙三氏）20,000円

と言ってさまになる人はカッコいい。東京ＦＭ系「SUNTORY Saturday Waiting Bar AVANTI」での発言。まず自分を解放するのが肝心とのことで、ネクタイを弛めてウイスキーを飲んだら「ウイスキーはそれだよ」と言われたそうだ。夜に「恋のから騒ぎ」を見てたら「朝起きたら耳が聞こえなくて病院行ったら耳に枝豆が入っていた」と平木里佳さんが話していた。そう言ってネタにできる人もカッコいい。

巨峰食べるタレントになりたいって思った。（上沼恵美子さん）2,520円

ＴＢＳ系「上沼恵美子は見た！㊙日常ワイド劇場第４弾」での発言。黛じゅんが売れまくっていた頃、「巨峰が食べたぁ～い」と言ってスタッフが奔走したのを見て「自分も将来…」と思ったらしい。彼女曰く「わがままが言えるのは成功の証し」とのこと。で私は、今じゃ巨峰もメジャーだし、どんなオーダーを出せばいいのだろうかと思い、干からびたチーズくらいしか思いつかずにがっかりした。

今は写メで国民総パパラッチ状態だからねえ。（山口かつみ先生）3,800円

ほんとに油断できない。週刊ビッグコミックスピリッツ連載中の「たくなび」からの抜粋。ストーリー上はあまり重要じゃないセリフだけど現実的な戒めとして気になった。浮気相手と休憩3,800円の表示が入る感じの構図をケータイのカメラで押さえられて写メで送られてきた時点でゆすりたかりのターゲットとしてロックオンなわけだから、バレて困るような休憩は休憩にならないと考えるべきだ。

女房はヴィンテージがいいね。（しりあがり寿先生）3,675円

うまいけど、言われても嬉しくないだろうなあ。朝日新聞連載中の４コマ漫画「地球防衛家のヒトビト」のオチ。ボージョレ・ヌーボーをありがたがる日本人は新しい物好きだと語る夫たち、で、それぞれの妻がムッとして、あたふたとフォロー。逆に、ロマンスグレーみたいに良い感じの形容も「恋するネズミ色」にしたとたん冴えないエロ中年像が浮き上がると気づき、色々試してみたいと思った。

余は如何にして「人妻デリヘル嬢」となりし乎（中村うさぎ氏）30,000,000円

著者名込みで売れそうな著作タイトル。無名時代のアングラ体験を素材にして執筆するケースはありがちだけど、すでに著名な作家がアングラ体験をして執筆するとセンセーショナル。体を張っての体験を元に執筆した「美人になりたい――うさぎ的整形日記（小学館）」で得た容姿を今度は新潮社からの刊行物で武器にするとは…。「もう一度、女として、ひと花咲かせたい」と語る彼女は47歳。

市原木工所 余湯派 湯殿腰掛 大 220... 市原木工所

今までのボクサーと同じ事してたら、今までのボクサーまでしかなれない。（亀田興毅選手）60,000円

一枚上手のモチベーション。週刊ビッグコミックスピリッツのインタビューで強気のコメントを連発していたが、どれも好印象。世の中に漂う鬱積した気分を晴らしてくれるような勢いを感じる。「同じ事」の話はボクサーに限った事じゃない。でも同じ事した上でさらにやらされて忙しくなってサービス残業したりとか…ってのは嫌ですねえ。やらなくていい事はバッサリ省くのが賢明だと私は思う。

キックボクサー クールカツ

誰に返すの？わっかんない。でも、吹っ切れた。（矢沢永吉氏）77,777円

さすがだ。35億円の借金返済スタート時の心境をＴＢＳ系「情熱大陸」で。奥さんに「みんなに相談してみたら、矢沢なら返せるって言うの」と言われてそう思ったとのこと。結局35億円の借金は6年で消した。「欲のないやつはだめよ」とか「シンプルが一番」とか、昔から一貫して明快。ファンの中には月々の住宅ローンで気絶しそうな人もいてパワーをもらったりしてるんだろうなあ。

そろいの服を着て移動すると団結力が出そうです。（藤井仁哉くん）24,000円

出ると言い切りなさい！朝日新聞にゲットユニホームの記事が載っていた。何らかのチームの活動をＰＲして申請し、それなりの宣伝効果ありと企業が認めればそろいのＴシャツやトレーナーが企業名入りで提供される。仕組み自体はスポンサー見つけてプレイするプロもどき。その実感を小学校５年生に尋ねても団結力は今ひとつの感じで当然ではある。このシステムなんか広がりそうな予感。

極寒のエベレストを征した、あったか下着の決定版!!（日本直販）441,000円

大好物のＢ級テイスト。朝日新聞の全面広告に並んだ商品のひとつ。「世界初の冬期南西壁からのエベレスト登頂に成功した際（左写真）隊員たちが着ていた極めて暖かい肌着」と登山中に肌着姿で整列する広告写真としての仕込みのスケールにも驚いた。隊員に「ひだまりのようだった」と言わしめた防寒健康肌着〈ひだまり〉をこの際11月でも試合をする我が野球部のユニフォームに採用したい。

メイダイ 薄伸暖衣(アンダースパッツ 8... メイダイ

ブラジャーも「鮮度」が命（田中成省氏）6,405円

一度すんなり通り過ぎたのに気になって戻った。「天使のブラ」「恋するブラ」のみならず「阪神タイガースブラ」「楽天イーグルスブラ」で知られるトリンプの販売手法を紹介する日経ビジネス「時流超流」の見出し。単語「鮮度」は女性が購買者になる商品と馴染みが良くて効果的。だけど気になって戻ったホントの理由は「も」は何とペアなんだろう？「中身も？」とイメージしたからなのでした。

墓石のリピート客は450年後に訪れるというデータがあります。（小阪裕司先生）5,250円

ジョークなのかホントなのか。セミナー「招客招福の法則in盛岡」に参加。「人間の脳は質問されると答えるようにできている」とか言われてみりゃそうだって事の連続。そう感じさせる講師は巧い。ディスカウントショップで3,800円のビールが、な、なんと近所の酒屋では5,250円の正価で売れる理由を聞いてその気になった。で、墓石やさんのデータ件は未解決のままだけど面白いからＯＫ。

弟と二人で白鳥の湖踊った写真、見る？（宇夫方康夫先生）50,000円

見てしまった。お母さんの白寿のお祝いで宇夫方一族80余名が集まり、その余興として70歳前後の息子コンビは心得の欠片もないバレエを選んだという。親戚の前で何か披露するなんて阿部家筋では考えられないが、宇夫方一族の場合は余興の発表希望者が殺到して大変すばらしい催しとなるんだそうな。音楽や衣装の仕込みにお祝いやらの出費など「自分も楽しんだから」と苦にしてなかった。

全身タイツ 赤 ジグ

笹平さんのカッコイイ写真ください。後姿でも構いませんから。（山田咲子さん）12,800円

なんなんだかなあ。山田さんが商産サポート販促研究所に訪ねてきてＨＰに乗せるための写真を寄こせと言うのが聞こえてきた。あおりでも俯瞰でも何でも用は足りるらしい。きっと準備する人の気持ちに配慮して敷居を低く、制約は少なくしてくださったのだろう。これはチャンス！笹平さんはペ・ヨンジュンのミニョンかつらかマツケン変装グッズを忘年会シーズンに先駆けて仕込むに違いない。

この郵政事業の敵がぁ!!額に切手貼って寒い国に送るぞ―――――!!（三上龍哉先生）2,500円

今が旬の脅し文句。週刊ビッグコミックスピリッツの極道一直線でポストの怪人みたいのが吐いたセリフ。ゆうパックで最高額の荷物は30kg未満、縦横高さ合計170cmクラスで第7地帯なので人を送ることはできない。けど、民営化になればこんなことも……というコントがどこからか出てきそうな予感。人はナマモノ。「邪険に扱うんじゃねえよ」と腐るのでクール便も取り扱い開始！とか。

14歳から20歳と24歳から30歳では時間の長さが違う。（佐藤竹善氏）2,913円

ピンとくる表現。「年々歳をとるのが早くなる」よりも記憶や歴史が実感できる。TOYOTA SOUND IN MY LIFEのゲスト佐藤氏のコトバ。約６年ぶりにオリジナルソロアルバム「Okra」を出すことからの脱線トーク。パーソナリティの落合隼亮氏は「14歳から20歳はパーツもどんどん変わりますし」と冴えたツッコミをしたが、放送後にブロードバンド映像で確認しようとしたらやっぱりカットされていた。

すごいでしょ？オレの名刺、住所入ってないんです。（八重樫崇之くん）30,000円

とってもフリーランス。同じ釜の底のほうのメシを食った昔の同僚と仙台で会った。ＨＰのＵＲＬしか記さないというのはＨＰを見ればわかる前提なのであり得る（例：杉山弘道氏や及川英俊氏）が、ケータイ番号のみで拠点事務所を明かさないのは東スポの三行広告「渋谷発都内出張萌えっ娘３万」みたいなスペシャリティを感じさせる。そんな彼に仕事を依頼する際は私を仲介すると確実でっせ。

禁断・制服の悶え ジェネオン エンタテインメント

インターフェイスを変えたら皆、同じスタートラインに立てると考えました。（岩田聡氏）15,000円

親切心だとは気づかなかった。日経ビジネスのインタビュー記事での任天堂社長のコトバ。ゲームのコントローラーが新型になるたびに戸惑い、私はある時点から戦線離脱していた。ニンテンドーDSの次は片手操作のリモコン型らしい。少年少女はあっという間に熟練者になる。ある程度練習してから子供に授ければ、親が一瞬でも優位に立てるチャンスが用意されたと考えて前向きに検討したい。

気力も体力も充実し、絶好調を感じる一日となるでしょう。（うらないまぐ）55,000円

完璧だ。動物占い(R)運勢によると2005年11月10日(木)「ペガサス」は何事もうまく運び、落ち着いた気分で過ごすことができそうです。恋愛は幸せが実感できて、金銭は大きな成果をあげることができて、仕事と学業は充実感に満たされるそうです。おまけに困ったときにはどこからともなく救いの手が差し伸べられることでしょう。だそうです。さっそく5万5千円ほど困ってみたいと思います。

左官は音を見ているのだ。（小林澄夫氏）1,050,000円

古紙回収の準備中に朝日新聞10/14の「左官のいる風景２」で発見。道を究めた職人のコトバは広告との相性も抜群。地方新聞の小さな広告枠に１回なんてちんけな使い方せずに、違いのわかる男シリーズみたいに使える。「モルタルミキサーの音で混合の按配を、職人の手際はコテの音とちりぼうきの音で。音で現場を把握する親方クラスは羽振りも良い」とかイメージがモコモコ沸いてくる。

お久しぶりですぅ～。お元気でしたか？ きょうはどうなさいました？（徳田恵さん）1,250円

看護師さんのコトバ。鼻水、鼻づまり、咳、発熱、頭痛、不運、自己嫌悪など総合的に判断して病院へ。久しぶりと言われれば、前回は半年くらい前なので久しぶり。お元気でしたかと言われれば、別な症状では別な病院に行ったりもしたのでなんとなく気まずい。きょうはどうなさいました？の問いにも体調不調のため普通の回答しかできなかった。診察とクスリで1,250円。病院側も普通だった。

お父さんはお店を栃木で一番の電気屋にしてください。僕は日本一にします。（小島章利氏）700,000円

小学校３年生の作文。日経ビジネスの先週号をめくっていたら「ひと劇場」でコジマの社長が取材されていた。二代目社長は小学生から一貫して目標に向かっていることになる。これは大した二代目だけど、そう思わせ続ける初代の手腕もお見事。おなじみのハッピには日本一どころか「安値世界一への挑戦」と。11月4日の株式市場、コジマの終値は1,398円。500株くらい持っていれば、いずれは…。

いくつになっても女性はピンクとかわいい物が好きなんじゃないかな。（寺田和正氏）10,000,000円

素直に認めるしかない。ピンクできらきらしたサマンサのバッグを仕掛けた社長のコトバが朝日新聞beのインタビューで鋭くきらめいていた。「やりがい、プライド、いい給料、信頼」をモットーとするサマンサには年収が１千万円を超える店長もいるそうだが今や日本が世界に対抗できるブランドなので当然。私は「男性はピンクとかわいい物が好きな女性が好き」という市場背景もあると見た。

人の足ひっぱるより自分の足を伸ばしたほうがいいのにねえ。（高橋けい子さん）15,750円

またしても処世術。この類のコトバを二夜連続で意識してしまったのは、自分がちょっぴりせつない状況に置かれているからなんだろうな。北青山のウチイケ鍼灸整体院にてモアレグラフィで体のゆがみを納得させられた後バキバキバキバキッとカイロプラクティックを施された時みたいに痛快な一言として共鳴した。こんなコトバばっかり拾って高橋さんの足ひっぱてる？　ゲ、俺の足、短いし…。

あなたが創ったようなもんですっておだてりゃバッチリ。（高橋けい子さん）105,000円

危険な処世術。何かイジらないと職務を全うした実感を得られない依頼主に出くわした時に、チョットだけイジらせといて言えばグッと完了に近づくコトバ。だけど「そうだね。キミは本来の仕事をしていないことになる」とすっかり調子こかれて105,000円ぶんの提案とかが消滅する場合もあるので要注意。出されたラーメンに胡椒ふりかけて「胡椒ソバだ」と言わされてるようなもんなのにねえ…。

シルクのよさを一人でも多くの方にお試しいただきたいですね。（松方弘樹さん）250,000円

人選がすべて。時々目にする株式会社ユーコーの広告。この場合のコピーは「…ですね――松方弘樹」までで完成なので、コトバの作者は企画した人ということになるけど、承諾した松方さんもセンスがいい。会社の住所が南大塚ってのもいい。シルクパジャマ2,500円を着て足を組んでグラス片手にくつろぐ写真にこのコトバが名前入りで添えられていたら100枚は即効で注文が入ると思われる。

bodum Pavina ダブルウォール... Bodum (ボダム)

私は、女である前に、デザイナーだわ。（一条ゆかり先生）200,000円

カッコイイところなのに爆笑。ＴＢＳ系で放送中の月９ドラマ「デザイナー」での決めセリフ。月収20万円ぐらいの女性のフリして体験談風のコピーを書き上げた後ビデオをプレイしたら、ドラマの流れに関係なくこの部分から始まった。「自分は、男である前に、コピーライターなの」じゃカッコつかない。警官や力士は「男である前に」とは言わない。「女である前に…」は奇妙なフレーズだと思う。

世界に一つだけの穴―――スコップ（嘉門達夫氏）5,000円

このネタ知らなかった。査定するとして、私が御教訓カレンダーの審査員だったら審査員賞をあげてもいい。でも上位の賞に入るくらいの意外性に欠けている、といった印象。しかしプロの技はさすが。原型をちょっといじっただけでコレだ。で、打率もいい。ペキンダックPart.Ⅱという作品もあった。♪オンリーワンは花だけじゃない、穴だって棚だって腹だってオンリーワン～